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An Investor’s Guide to Indices

第4章

条件の不均衡の解消

パッシブ投資によって市場へのアクセス機会が公平に

インデックスをベースとする投資、すなわち「パッシブ」投資は、インデックス・ミューチュアル・ファンド、ETF、オプションなど、インデックス連動型商品で運用する手法です。パッシブ投資には次のようなメリットがあると考えられます。

  • 分散効果
  • 透明性
  • マーケット・リターン(市場全体のリターン)
  • コスト効率性

パッシブ投資とは

ジョン・ボーグルが1976年に初めてインデックス連動型ミューチュアル・ファンドを設定した際には大胆なアイデアとされ、インデックスをベースとするパッシブ投資は、投資家が金融市場にアクセスして市場と同等のパフォーマンスを享受する方法に革新をもたらしました。

インデックス・ベースの投資が多くの投資家に受け入れられているのは、他にはない魅力があるからです。ポートフォリオに分散効果と透明性がもたらされ、投資家は保有する商品や銘柄を把握することができます。インデックス連動型商品には様々な種類があるため、投資家は世界の複数の金融市場を対象に、幅広く投資することも、的を絞って投資することも可能です。投資目的、投資スタイル、リスク許容度が大きく異なる様々なインデックス連動型商品を組み合わせたポートフォリオの構築が可能です。受け入れるリスクや実現される利益は、投資した市場のリスクやリターンと一致します(ただし、投資家がインデックスをベースとした商品の購入・保有のために支払う費用は、インデックスのリターンに反映されていません)。インデックス・ベースの投資によって、投資自体が容易になるだけでなく、アクティブ投資よりもコストを低く抑えることができます。

とはいえ、インデックス・ベースの投資(または「パッシブ投資」)とは正確にはどのようなものなのでしょうか? 名称から推測できるかもしれませんが、インデックスに直接投資するわけではありません。インデックスは投資商品ではないからです。インデックスは特定の市場の証券やその他の資産の指標であり、インデックス・ミューチュアル・ファンド、ETF、オプションなどの投資商品の基盤として使用されます。

インデックス商品のポートフォリオは、連動するインデックスによって決まります。例えば、ダウ平均に連動するETFは同指数を構成する30銘柄を保有し、ダウ平均と同等のパフォーマンスを追求します。これがインデックス・ベースの投資とアクティブ投資の根本的な違いです。アクティブ運用の場合、ファンド・マネージャーはベンチマークとなるインデックスのパフォーマンスを上回るように主体的に銘柄を選択します。

パッシブ投資は主に以下の2つの点でアクティブ運用より優れています。

  • コスト:アクティブ運用の場合、マネージャーに支払う手数料が高いほか、頻繁に売買を行うことで取引コストがかさむことから、一般的にコストの高い戦略となります。
  • 運用成果: アクティブ運用のマネージャーの大半は長期的に見ると、市場をアウトパフォームできません。
パッシブ投資の重要なイベント
1952年 ハリー・マーコウィッツがジャーナル・オブ・ファイナンス誌に「ポートフォリオ選択論」という論文を発表し、株式市場全体に投資すれば最大の分散効果を得られるため、「完璧なポートフォリオ」を構築できるという考えを紹介しました。 1965年 インデックス投資の父と呼ばれることも多いユージン・ファーマが論文「株価の動向」を発表し、市場を上回るリターンを目指すアクティブ運用マネージャーは、特に時間の経過とともに、多くの困難に直面すると指摘しました。 1973年 バートン・マルキールが、販売手数料が無料(ノーロード)で、信託報酬を低く抑えたミューチュアル・ファンドを設定するべきだと主張しました。こうしたタイプのファンドは、市場を代表するインデックスの構成銘柄を購入してこれをアウトパフォームしようとしないため、投資家はマーケット・リターン、すなわちベータにアクセスできます。 1976年 ジョン・ボーグルが初のインデックス連動型ミューチュアル・ファンドである、バンガード500インデックス・ファンド(ベンチマークはS&P500指数)を設定しました。 1982年 インデックス連動型先物を導入。 1983年 インデックス連動型オプションの取引が開始。 1993年 ETFが市場に登場。 2013年 取引開始から20年後、ETFの運用残高は1兆3,000ドルを超えました。米国の投資家がインデックス連動型ミューチュアル・ファンドに投資した額も、2013年までに約1兆7,000ドルとなり、その3分の1(金額ベース)がS&P500指数に連動するものでした。

分散効果

分散されたポートフォリオには、経済情勢や市場環境の変化に対して互いに異なる反応を示す証券が数多く組み入れられています。

例えば、株式によっては、景気拡大局面で市場全体をアウトパフォームする傾向があるものの、減速局面ではアンダーパフォームする銘柄があります。一方、景気減速時の打撃や拡大時の上昇の度合いがそれほど大きくない銘柄もあります。分散化された株式ポートフォリオは、それぞれのタイプの銘柄を組み入れています。

そのため、分散投資では、限られた数の株式やその他の証券を保有するよりも、一般的に市場リスクの影響を抑えられます。ポートフォリオが十分に分散化されていれば、値下がりした資産の損失分を利益の出ている資産が相殺する作用をします。分散度が高いほど、相場下落時のリスク軽減の可能性は高まります。

現代ポートフォリオ理論の基礎である分散投資の効果を説いたのは、ノーベル賞を受賞した経済学者、ハリー・マーコウィッツです。マーコウィッツは株式市場全体に投資をすれば最大の分散効果が得られるため、「完璧なポートフォリオ」を構築できると主張しました。しかし、マーコウィッツの革新的な論文から20年以上経ってバンガードが初のインデックス・ファンドを開始するまで、個人投資家は、そのように市場全体を網羅する分散効果の恩恵を実際に受けることはできませんでした。

インデックス投資の父たち: ハリー・マーコウィッツ

今日、様々なインデックス連動型商品のポートフォリオを通して、国内だけでなく世界中の広範な市場に投資することが可能です。これは、マーコウィッツが述べたようなポートフォリオを、投資家がほぼ保有できるようになったことを意味します。特定の業界やセクターなど、狭義の市場カテゴリーを投資対象とする場合でも、分散化されたインデックスを用いることで個別銘柄に投資するよりもリスクを抑えることができます。

透明性

ETFやインデックス連動型ミューチュアル・ファンドは、対象となるインデックスの全ての構成銘柄またはサンプルとなる代表的な銘柄を保有することによって、当該インデックスが網羅する市場と同等のパフォーマンスになることを目指します。

ETFやファンドが掲げる目標から大きく逸脱するリスクは限定的です。しかし、アクティブ運用ファンドではその可能性があります。リターンの向上を図るために投資スタンスとは異なる株式を購入することがあるからです。このようにスタンスを変更すると(スタイル・ドリフトと呼ばれる)、投資家は投資目標を達成するための許容範囲を上回るリスクにさらされること、または想定していたほどリスクを取れないことがあります。

透明性とは、ETFやインデックス・ファンドの構成銘柄だけでなく、組入比率も把握できることを意味します。インデックス投資では通常、この情報は毎日公表されます。

透明性とは、ファンドの構成銘柄だけでなく、組入比率も把握できることを意味します。インデックス投資では通常、この情報は毎日公表されます。一方、アクティブ運用ファンドは年4回しか保有銘柄の報告を義務付けられていません。四半期報告から次回の四半期報告まで、どの銘柄をどんな割合で組み入れることも可能です。したがって、投資目標が非常に異なるファンドが、同じ銘柄、特に現在高パフォーマンスを上げている銘柄を数多く保有し、その情報が全く公表されないことがないとは限りません。その結果、投資家は同じ銘柄を重複して保有することで分散効果を失い、投資リスクの上昇にさらされる可能性があります。

マーケット・リターン

インデックスは、対象となる資産の代表的なサンプルを通じて測定する市場のリターンおよびリスク特性を反映するように設計されています。

したがって、インデックス連動型投資商品は特定の市場のパフォーマンスを捉えるのに便利な手段と言うことができます。加えて、広く認知されているように、証券市場、特に先進国の市場は極めて効率的です。

市場が効率的であれば、最終的には、個別銘柄または市場全体の動きに影響を与え得るような情報を利用する機会はほとんどなくなります。そうした情報は既に市場に織り込まれており、インデックスやそれを再現するインデックス連動型商品のパフォーマンスに反映されているからです。

市場を効率的にする要因

  • 既存のマーケット情報 は容易かつ低コストで入手できため、証券価格に織り込まれています。
  • 証券に関する新たな情報はランダムに生じるため、予測することは不可能です。
  • 新たな情報が証券の価格に与える 影響 も同様に予測不可能です。

言うまでもなく、パッシブ運用を含めて、いかなる投資戦略もプラスのリターンを保証していません。しかし、十分に分散されたポートフォリオのリターンは、これまで長期的に上昇しています。例えば、米国株式はS&P500指数やダウ平均の長期パフォーマンスが示すように、上昇基調を維持しています。インデックスをベースとした投資は、投資家がこのマーケット・リターンを捉えられるように設計された手法です。

コスト効率性

投資商品を購入・保有するために支払う対価は、将来のリターンを低下させます。投資コストが高ければ高いほど、パフォーマンスは引き下げられることになります。

投資コストの主要な尺度には、経費率と取引コストの2つがあります。経費率は、ファンドの運用管理にかかる費用としてリターンから定期的に控除される額が、当該勘定の資産価値に占める割合を百分率(%)で示しています。取引コストは、ファンドがそのポートフォリオのために証券を売買する際に支払う手数料です。経費率は公開情報です。したがって、ファンドの目論見書、各種オンラインの情報サイト、金融関係メディアなどから入手できます。

アクティブ・ファンドとパッシブ・ファンドの相違点

アクティブと
パッシブの比較:
コスト要因

+

ユージン・ファーマは、 ノーベル経済学賞を受賞し、インデックス投資の父と呼ばれることも多いですが、これらの要因が組み合わされることによって、アクティブ・マネージャーが効率的なマーケットやそれを再現するインデックスをアウトパフォームすることが、不可能ではないものの難しくなっている、と指摘しています。ファーマによると、証券選択のメリットを生かすためには、マネージャーはある証券に関してどのような新情報が出てきて、その結果、当該証券の価格にどのような影響が及ぶのかを正確に予測し続ける必要があります。アクティブ運用ファンドと対応するインデックスの運用成果を比較するS&PのSPIVA(Indices Versus Active Funds)の長年の結果を見ると、アクティブ・マネージャーが市場平均を上回るパフォーマンスを達成する難しさが確認できます。どの年においても、対応するベンチマーク指数をアウトパフォームしたアクティブ・マネージャーは極めて少なく、継続的にアウトパフォームしているケースは事実上ゼロといえます。

インデックス投資の父たち: ユージン・ファーマ

インデックス連動型商品

インデックス連動型商品は今や幅広い人気を集めていますが、投資の世界に登場したのは最近のことです。

バートン・マルキールは、1973年に第1版が出版された画期的な投資の指南書「ウォール街のランダム・ウォーカー」の中で、販売手数料が無料で、信託報酬を低く抑えたミューチュアル・ファンドを設定するべきとの考えを示しました。こうしたタイプのファンドは、市場を代表するインデックスの構成銘柄を購入してこれをアウトパフォームしようとしないため、投資家はマーケット・リターン、すなわちベータにアクセスできます。

インデックス投資の父たち: バートン・マルキール

それから僅か3年後の1976年、ボーグルが、比較的低コストで幅広い分散効果が得られるとして、インデックス・ファンドを設定しました。1993年にはETFが登場し、これによって、取引の柔軟性が拡大し、税効果が高まり、そして投資機会が拡大しました。つまり、インデックスをベースとした商品を利用して様々な投資戦略を実現するための手段が広がったのです。

インデックス商品の人気が高まった証拠を具体的に挙げると、2013年時点において、米国の投資家はインデックス連動型ミューチュアル・ファンドに約1兆7,000億ドルを投資しており、その3分の1はS&P500指数に連動しています。またETFへの投資額も1兆3,000億ドル以上になっています(出所: ICI、 2013年)。

インデックス投資の父たち: ジョン・ボーグル

1982年のインデックス連動型先物、1983年のインデックス連動型オプションの登場もインデックス商品のユニバースを拡大しました。これらの商品はいくつか重要な相違点もありますが、以下の目的に利用されます

  • 株式および債券ポートフォリオの相場下落リスクに対するヘッジ
  • インカムの創出
  • 対象となるインデックスの全ての構成銘柄を購入するよりも、低コストかつ容易に広範な市場に対するエクスポージャーを取得

ETFやインデックス連動型ミューチュアル・ファンドと異なり、インデックスに連動した先物やオプションへの投資は、多くの場合、長期保有を目的としていません。これらの投資手法を最大限に活用するには、投資家の目標と投資期間を理解し、投資目標を達成する可能性のある多くの戦略を分析した上で、適切なタイミングで投資を行う必要があります。

インデックス連動型商品の応用

市場セグメント全体に連動するETFやインデックス・ファンドを土台のように組み合わせて、コアとなるポートフォリオを構築する投資家もいるかもしれません。インデックス・ベースの商品から取捨選別して特定の配分に組み合わせます。選択した商品は、ライフ・イベントや目標の変化に応じてリスク・リターンのバランスを調整するために変更することもあります。インデックス・ベースの投資商品を利用して、特定のセクター、国、地域、戦略の短期的なエクスポージャーを追加します。 こうした手法は通常、コア・サテライト戦略と呼ばれています。

ファイナンシャル・アドバイザーはインデックス・ベースの投資手法を用いて、インデックス・ファンドやETFを組み入れた分散型ポートフォリオを構築することもあります。こうした投資は機関投資家向けで、個人投資家が直接購入することはできませんが、この「インデックス・インサイド・アクティブ」の手法は、アウトパフォームだけを目指すのではなく、マーケット・リターンを提供するために使用されます。

パッシブ投資に関する詳細は、下記ウェブサイトを参照してください。

*investopedia.com: 「Passive vs. Active Management(パッシブ運用とアクティブ運用の比較)」
*money.cnn.com: 「Battle Royale: Active vs. Passive Investing(アクティブ投資とパッシブ投資の比較)」
  • ウィリアムF. シャープ、「アクティブ運用の算術論」、ファイナンシャル・アナリスト・ジャーナル、1991年(クレイグ・ラザーラがS&Pのウェブサイトのブログ「インデックスソロジー」で2014年3月10日に引用)。
  • SPIVA 米国スコアカード、2013年、ブレット# 2 (直近のSPIVAスコアカードで再確認されており、頻繁に引用)。
  • マーコウィッツ: ハリー・マーコウィッツ、「ポートフォリオ選択論」、ジャーナル・オブ・ファイナンス、1952年
  • バンガード・ファンド: 1976年に設定されたファンド。バンガード・ファンドが設定されるまで、個人投資家は幅広く分散化されたポートフォリオに投資する手段がなかったと、バートン・マルキールは1973年初版の著書「ウォール街のランダム・ウォーカー」(重版を重ねて現在は第11版)で指摘。
  • 2014年1月にデービッド・M・ブリッツァー、クレイグ・ラザーラなどインデックス委員会のメンバーへのインタビュー。
  • ユージン・ファーマ: ユージン・ファーマ、「株価の動向」(後日「株価 のランダムウォーク」として再発行)、ファイナンシャル・アナリスト・ジャーナル、1965年、「効率的資本市場:理論と実証」、ジャーナル・オブ・ファイナンス、1970年。

おめでとうございます

第4章が終了しました。この章で学んだことを確認するために、簡単なテストを行います。

テストに挑戦

各質問で正しいと思われる答えを選び、「送信」ボタンをクリックしてください。結果が表示されます。

    • インデックス・ファンドのリターンは、運用マネージャーの手数料を反映している
    • インデックス・ファンドは、対象となる市場のリスク・リターン特性を反映するように設計されている
    • インデックス・ファンドの経費率は、アクティブ運用ファンドより低い
    • インデックス・ファンドは通常、売買回転率を抑えるような設計になっている
    • 分散度の低いポートフォリオよりも市場リスクから守られている
    • 分散度の低いポートフォリオと市場リスクは同じ
    • 分散度の低いポートフォリオよりも市場リスクから守られていない
    • エクスポージャーが大きく常に損失を相殺する
    • 長期保有を目的に証券を購入すること
    • インデックス・プロバイダーから証券を直接購入すること
    • インデックスのパフォーマンスに再現するように設計された投資商品を購入すること
    • 上記のすべて
    • 市場に関する情報が容易に入手でき、証券価格に反映される
    • 証券に関する新たな情報とその情報が与える影響はしばしば予測できる
    • 証券の動きに影響を及ぼす可能性がある情報を利用する機会はほとんどない
    • 市場に関する情報は、インデックスとそれに連動するインデックス連動型商品のパフォーマンスに反映される
    • アクティブ・マネージャーは運用手数料や頻繁な取引によるコスト負担が大きく、それがベンチマークをアウトパフォームする上で追加の障害になっている
    • インデックスに組み入れられているのは市場でパフォーマンスが上位の銘柄だけなので、パッシブ・ファンドはアクティブ・ファンドをアウトパフォームする
    • 大半のアクティブ・マネージャーは株式と債券の両方で運用しているため、市場をアンダーパフォームすることになる
    • 上記のいずれも該当しない
答えを確認
終了